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2011年7月 7日 (木)

Gate crasher

帰国のためヒースローに向かう前、定宿のO&Cで昼食をとる。

いつものようにクラブテーブルに向かい、自己紹介をして会話に加わった。席にはすでにクラブの理事長、インドの外交官等数人がいて、賑やかに食事をしている(ちなみにすこし離れた別のテーブルには、トニー・ブレア元首相の妻で弁護士のシェリー・ブレアが友人とともに食事をしていた)。

その中にユニークな人物がいた。遊び人ふうの明るいブルーだが仕立てのよいスーツを着ていて、歳は40代後半と思われる。落ち着き払った話し方も、すこし人を食ったような物言いも、いかにもパブリックスクール(有名私立男子校)出身といった感じだ。

彼はメンバーではなく、この倶楽部のメンバーに連れられてきたゲストでもないのに平然とクラブテーブルに座り、理事長以下を目の前にして楽しそうに食事をしていた。そして、O&Cの図書室の蔵書の質の高さを絶賛しているところであった。まことに当を得た評価に、理事がうなる。もちろんメンバーでもないのだから施設は使えないはずのだが、彼はこうすれば大丈夫という入り方を知っているらしい。理事長以下他のメンバーも目くじらを立てるわけでもなく、とがめ立てするわけでもない雅量を示して、この「若者」との会話を楽しんでいた。

彼自身はThe Brooks's Clubという、Boodle'sやGarrickなどとならんでロンドンでももっとも格式の高い倶楽部のメンバーであるという(倶楽部スノッブによれば、O&Cは紳士倶楽部の入門編とも言うべきポジションになっていて、そこを手がかりに人脈を作り、好みの倶楽部に移っていくのだそうだ。さらにその上には上述のような「雲上」倶楽部があるらしい)。しかしそれには飽きたらず、あちこちの倶楽部に出没しているとみえる。

料金を払わずにライブやコンサートなどに紛れ込むことを、gate crashという。やんちゃな高校生や大学生がよくやるものだが、三つ子の魂百まで。そんなことをいまも、こんなところでやってみようとするこの人物はほほえましい。

最後に彼は、楽しい時間のお礼とばかりに、Brooks'sでgate crashする方法を一同に伝授して周囲を感心させたあと、颯爽と出ていったのだった。

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